企業はサイバー攻撃から基幹データをどう守るか

2026年も終盤に入り、企業を取り巻くサイバーリスクについて、改めて自社のシステムやデータ管理を見直す時期になっているように感じます。
ランサムウェア、フィッシング、システムの脆弱性を狙った攻撃、取引先や委託先を経由した侵入、AIを悪用した攻撃など、企業が注意すべき脅威は多岐にわたります。
「うちは小さな会社だから狙われない」
そう考えることが、安全対策になるとは限りません。
IPA(情報処理推進機構)が発表した「情報セキュリティ10大脅威 2026」では、組織向けの脅威として、
1位にランサム攻撃、
2位にサプライチェーンや委託先を狙った攻撃、
3位にAIの利用をめぐるサイバーリスク、
4位にシステムの脆弱性を悪用した攻撃が挙げられています。
また、2026年10月8日、JPCERT/CCは、国内組織において不正アクセスによる個人情報等の漏えい被害が相次いでいるとして、注意喚起を発表しました。
一般向けサービスだけではなく、BIツールや従業員向け管理システムなど、管理・運用側のシステムから情報が漏えいするケースも確認されています。
こうした状況を踏まえると、企業にとって重要なのは、個別の攻撃手法だけを見ることではありません。
自社の重要な基幹データが、どこに保存され、誰がアクセスでき、万一システムが使えなくなった場合にどう復旧するのか。
この点を確認しておくことが重要です。
「セキュリティ対策ソフトを入れているから大丈夫」
ではない
サイバー攻撃への対策というと、
ウイルス対策ソフト
ファイアウォール
パスワード管理
多要素認証
バックアップ
などを思い浮かべます。
もちろん、これらは重要な対策です。
しかし、もう一つ確認しておきたいのが、
「重要なデータを、そもそもどこに置き、誰が、どこからアクセスできる状態にしているのか」
という点です。
システムの脆弱性や設定上の問題などが攻撃に利用される事例も確認されています。
JPCERT/CCは2026年10月の注意喚起で、既知の脆弱性だけでなく、管理不備や設定ファイル、バックアップファイルの窃取などを悪用した攻撃の可能性についても指摘しています。
セキュリティ対策を考える際には、個々の防御機能だけでなく、システム全体の構成とデータへのアクセス経路を把握することが重要です。

「クラウドだから安全」でも「オンプレだから安全」でもない
クラウドが危険で、オンプレミスなら安全。
そのような単純な話ではありません。
クラウドにはクラウドの利点があります。
一方で、企業の基幹データをインターネット経由で利用する場合には、
外部からのアクセス経路
アカウント管理
API
認証
クラウド側の設定
委託先
他サービスとの連携
利用端末
など、確認すべき項目があります。
オンプレミスの場合でも、社内ネットワークや端末が侵害されれば被害を受ける可能性があります。
したがって、
「クラウドかオンプレか」という二択だけで判断するのではなく、基幹データへのアクセス経路をどのように管理するのか
という視点が必要です。
「攻撃される場所を増やさない」という考え方
企業では、さまざまなシステムやサービスが利用されています。
クラウドサービス。
スマートフォン。
タブレット。
API連携。
外部サービスとのデータ連携。
リモートアクセス。
これらには、それぞれ業務上のメリットがあります。
その一方で、システム同士の接続や外部からのアクセスが存在する場合には、その構成を把握し、適切に管理する必要があります。
IPAも2026年の注意喚起で、インターネットに接続された機器・装置の脆弱性を悪用するネットワーク貫通型攻撃について注意を促し、システム構成やインターネット接点の把握、脆弱性対策、ログ監視、BCPなどの重要性を指摘しています。
そのため、基幹システムについては、
「本当にインターネット上に公開する必要があるのか?」
という点も、システム構成を検討する際の一つの判断材料になります。
基幹データは「便利さ」だけでなく「必要性」で考える
販売管理。
顧客管理。
売掛・買掛管理。
仕入管理。
在庫管理。
寺院の檀信徒情報。
過去帳。
取引履歴。
こうした情報は、企業や寺院の業務に直接関わる重要な情報です。
もしこれらの情報を利用できなくなれば、通常の業務に影響が生じる可能性があります。
IPAが2026年9月に公開したランサムウェア対策のハンドブックでも、侵入型ランサムウェアでは、重要資産の暗号化だけでなく、窃取した情報を利用した二重脅迫が行われることが指摘されています。
そのため、
「データを盗まれない」ことだけでなく、「データを失わない」「必要なときに業務を再開できる」こと
も、システムを考える上で重要なポイントになります。
では、企業は何を見直すべきなのか
2026年末のこの機会に、まず確認しておきたいのは次の項目です。
1.基幹データはどこに保存されているか
顧客情報、売上情報、仕入情報、個人情報などが、どのシステムのどこに保存されているのか。
経営者自身が把握できているでしょうか。
2.誰がアクセスできるのか
社員全員が必要以上の情報にアクセスできる状態になっていないか。
退職者のアカウントが残っていないか。
不要な権限が放置されていないか。
3.インターネットからアクセスできる状態になっていないか
管理画面、API、VPN、リモートアクセスなど、外部から接続できる入口を把握することが重要です。
4.バックアップは「障害や攻撃が発生しても使える状態」か
バックアップが存在するだけでは十分ではありません。
本体と同じ環境からアクセスできるバックアップであれば、障害や攻撃の影響を同時に受ける可能性があります。
バックアップの保存場所、世代管理、復元方法についても確認しておく必要があります。
5.システムが止まった場合、何日で業務を再開できるか
「バックアップがあります」ではなく、
「明日システムが使えなくなったら、会社はどうやって営業するのか?」
まで考えておくことが重要です。
「セキュリティ」と「業務継続」を一緒に考える
サイバー攻撃対策は、情報システム部門だけの問題ではありません。
売上が止まる。
請求書が出せない。
顧客情報が見られない。
仕入先が分からない。
在庫が確認できない。
過去の取引履歴が確認できない。
そうなれば、業務そのものに影響します。
IPAも2026年のランサムウェア対策資料で、侵害後には復旧や業務継続、公表など、経営者を含めた判断が必要になるため、事前準備の重要性を指摘しています。
そのため、
「どのシステムを使うか」だけではなく、「どのような状態なら会社の業務を継続できるか」
という視点でシステムを考えることが重要です。

「ハイブリッド」という選択肢
すべてをクラウドにする。
すべてをオンプレミスにする。
そのどちらか一方だけで判断する必要はありません。
例えば、
重要な基幹データ → 社内のオンプレミス環境
社外との情報共有 → 必要な範囲でクラウド
Excelによる分析・加工 → 必要なデータだけ取り出す
というように、データの重要度や利用目的によって環境を分ける方法もあります。
重要なのは、「クラウドかオンプレか」を先に決めることではありません。
どのデータを、誰が、どこから、どのように利用する必要があるのか。
その要件を整理した上で、適切なシステム構成を考えることです。
「便利だから」ではなく「守るべきもの」からシステムを考える
業務システムを選ぶ際には、
「クラウドだから便利」
「スマートフォンから使える」
「どこからでもアクセスできる」
という機能だけで判断するのではなく、
「このデータを、そこまで外部からアクセスできるようにする必要があるのか?」
という視点も必要です。
特に、個人情報や取引情報などを扱う基幹システムでは、
アクセスできること自体がメリットなのか、それとも管理すべきリスクを増やすことになるのか
を考える必要があります。
ブリッジウェアが考える業務システム
有限会社ブリッジウェアでは、中小企業や寺院など、それぞれの業務に合わせたオンプレミス型の業務システムを提供しています。
「とにかくクラウドへ移行する」のではなく、
本当に必要なデータを、必要な場所で管理する。
そして、必要なデータについてはExcelなどへ取り出し、業務に活用する。
そのようなシステム構成も、選択肢の一つです。
販売管理、顧客管理、寺院管理など、企業や寺院の中核となる情報を扱うシステムだからこそ、
「どこにデータを置くのか」
「誰がアクセスできるのか」
「万一システムが止まったとき、どう復旧するのか」
まで考えて、システムを選ぶことが重要です。
サイバー攻撃を完全に避けることは難しいです。
だからこそ、
「攻撃されないこと」だけを目標にするのではなく、万一の事態に備えて、重要なデータを守り、業務を復旧できる状態にしておくこと
が重要だと考えます。
「自社の一番重要なデータは、今どこにあるのか?」
「誰がアクセスできるのか?」
「もし明日使えなくなったら、どう復旧するのか?」
を、一度確認してみてはいかがでしょうか。
ブリッジウェアでは、オンプレミス型の業務システムについてご相談いただけます
「クラウドにすべきなのか、オンプレミスにすべきなのか分からない」
「今の業務システムをこのまま使い続けてよいのか」
「基幹データをどのように管理すればよいのか」
「既存システムを自社の業務に合わせて変更したい」
そのような場合も、お気軽にご相談ください。
システムは、流行だけで選ぶものではありません。
自社にとって必要な機能、守るべきデータ、アクセス方法、そして業務継続の方法を整理した上で、自社に合ったシステムを選ぶことが重要です。



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